開発コンサルタント
のつぶやき

ホンジュラス国金融包摂を通じたCCT 受給世帯の生活改善・生計向上プロジェクト

生計向上に向けた貯蓄の推奨

今回は、私たちが特に重視している「貯蓄」の重要性について記述します。

途上国の貧困層は、主に、以下のような経済的脆弱さを抱えています。
 収入が低く不安定である
 雇用機会が少なく、日雇いベースの場合が多い
 農業を中心に収入が季節に左右されやすい
 土地や家畜などの資産が少ない
 必要な学校教育を受けれないことが多い
 緊急事態に対して脆弱である
 干ばつや洪水の発生時には、農産物や家、家畜などの資産を失いやすい
 家族の突然の病気や不幸などに十分対応できない

 さらに貧困層は、日々の出費もあり、貧困から抜け出すことは簡単ではありません。よって貯蓄の有無が、緊急事態への対応や子供への必要な教育、生計向上への取り組みにおいて非常に重要です。
 そのためプロジェクトでは、貯蓄の重要性と家計管理の方法を伝えています。収入が少なく得られる時期が限られている中で、どのように貯蓄できるかを参加者は考え、貯蓄を実現するために必要な家計管理についても学びます。
 安全性を確保するため、貯蓄は金融機関の口座を使用することを推奨しています。もちろん、貧困層が利用できる金融機関がどの地域にもあるとは限りません。そのため私たちは、貧困層がアクセスしやすい金融サービスの提供が促進されるように、金融機関に対して継続的にはたらきかけています。
 本プロジェクトの研修を通じて、研修開始から1年がたった段階で、約40%の世帯が新たに家計簿をつけるようになり、多くの世帯で貯蓄額も増加しています。これらを基礎として、現在は参加者の生計向上を目指した活動を実施しています。
ホンジュラス051506