開発コンサルタント
のつぶやき

ベトナム国ジェンダーの視点に立った金融包摂促進支援プロジェクト

漁業・海産物ビジネスを行う女性たちの金融サービスを考える

ベトナムのハノイ市から南へ140Kmほどのところにタインホア省があります。ベトナムで3番目に広い省で、人口は静岡県とほぼ同じ約360万人です。ここに、貧困層の女性を対象に小規模のローンを提供する「タインホア・マイクロファイナンス機関(タインホアMFI)」があります。この組織と一緒に、このプロジェクトではどのようにしたらよりニーズにあった金融商品を提供できるかを考えています。
タインホアMFIが注目したのは沿岸部に住む人たちの貯蓄を促すための商品です。沿岸部の顧客の多くは漁師で、年間を通じ漁獲量の変動が激しいため、収入が不安定です。タインホアMFIとしては、長年顧客と接する中で、この地域の人々の生計安定には貯蓄が重要であるという問題意識を持っており、これが出発点となりました。
この地域で漁業・海産物ビジネスを行う女性を対象にフォーカスグループディスカッションを行いました。確かに漁業、海産物販売業は他の仕事に比べ収益が大きく変動することや、資機材購入や商品販売によるキャッシュフローが多いためある程度の現金は手元に置いておきたいことがわかりました。また、漁業は常にリスクと隣り合わせであるため、貯蓄以上に保険に関心がある人もいました。これから、タインホアMFIと一緒に彼らのニーズを満たしながら採算性も確保できる金融商品を考え、試作品のテストマーケティングを行っていく予定です。