社長エッセイ

今日のKMC、これからのKMC

 ”動き出した!”というのが今の私の率直な感想です。梶原さんが農村金融専門家としてPNGへ2年間の派遣が決まり、またカンボディアでは「除隊兵士支援プログラム」に中西さんと多田さんがそれぞれJICA短期・長期専門家として携わることになりました。池田さんはPCM研修を続けて受講する傍ら、PCM主モデ3連戦、長崎での講師、そしてタンザニアへ短期専門家と、まさに目まぐるしい活躍ぶりです。傍から見ていても元気が伝わってきて頼もしい限りです。そして、スリランカ駐在社員田村さんのネットワーキングにも感心します。スリランカでは停戦合意がうまく進まない中、あちこち動き回って仕事を取ってくる努力は大したものです。コンサルタントとして、社員として、離れていても私が信頼を寄せている彼女に、営業力が備わってきたら怖いものなし、になりそうな気配です。それから、KMCはついにJICAへ法人登録を果たし、私がKMCの名前で役務調査を受注することができました。

 KMC社員は、これまで他社の補強や個人資格で役務に応募してきましたが、なかなか厳しい競争社会を実感しています。でも、こうしたスリリングな面が、私にとっては努力する大きなインセンティブになっています。一度受けた仕事は必ず誠実にこなし、そしてさらにコンサルタントとしての技術を磨き、色々な知識を貯え、新たな仕事にチャレンジしていく、そうした姿勢がクライアントからポジティブな評価を受けることになり、次につながっていく、ということです。

 さて、こうした競争社会が厳しいからコンサルタント業をやめるとするのか、それでも何が何でもこの道で行くとするのかは社員の自由です。と言ってもコンサルタント社員にとっては、これから先あれこれ逡巡する時間もあまりないでしょうから、(仮に不安になったとしても)腹をくくってコンサルタント道を突っ走るしかないでしょうね。でも、ジュニアコンサルタント社員は、まだ少しの時間があるかもしれません。ですから、このまま進むのか否か良く考えてください。その上で、本気でコンサルタントをやるんだ、という意思を持った人たちだけが残って、KMCという組織を通じてお互いを盛り上げていく、というのが私の理想です。コミットメントの固まりみたいな集団になるんでしょうか。間違いなく強くなります、そうした組織ができれば。でも、実は仕事はたくさんあって、我々のようなソフト系コンサルタントには依然として追い風が吹いています。目の前にたくさんある仕事を確実に手中に収めるためには、我々のアプローチにもっともっと工夫が必要なんです。

 最近読んだ田原総一郎の本に、”フリーになって一時を過ぎるとパタッと仕事が来なくなる。普通は売り込みにでも行こうか真剣に悩む。でも友達がそれはだめだと止めに入る。なぜかというと、フリーで仕事をするには売り手市場ではなく買い手市場にしなければ価値がない。向こうから(期待して)訪ねてくるくらいじゃないといけない”という一節がありました。これ、フリーの人だけではなく、まさにKMCのような、若くてまだまだ認知度の低い企業の社員にも同じことが言えますね。大企業なら組織の力だけで仕事は来るけど、我々は一人一人の社員が「売り」を身につけて仕事を取ってくる、ということなんです。その売りが何なのか、それは個々に違います。でもそれがなければやっていけないということです。皆さんの売り、そしてゆくゆくはKMCの売り、これを見つけ出して積極的にアピールしていきたいですね。