社長エッセイ

2008年を迎えて

 新年明けましておめでとうございます。東京では、今年は天候に恵まれた正月を過ごすことができました。KMCにとっては7回目の正月ですが、今年はどんな年になるのでしょうか。というより、どんな年にしたいのか、ですね。正月ということもあり、このところ、なんのためにKMCがあるのか、そもそもなぜあえて会社をつくったのか、あらためて考えることがよくあります。初心を振り返っている、とでもいうのでしょうか。

 そんなことを想いながら年末年始のTV番組を眺めていました。例えば、紅白歌合戦。歌を聴いていて、時々”すごいなあ、感動するなあ”と心の底から感じることがありました。”さすが、プロだなあー”っていう、しびれるような興奮ですね。聴いている私たちをうならせる”何か”がある。そこにはいつも磨きぬかれた技がある。

 あるいはある番組での明石家さんまと野球選手の中村紀洋とのトーク。話が面白いようにポンポンと弾んでいきます。さんまの相手からの話の引出し方。いつもなら”軽い人間だなあ”と感じておわりですが、その時は”なるほど、こうしたリアクションや聞き方で話を盛り上げていくのか!”という彼なりの見事なプロ意識と技が見えてきました。笑いこけながらも実は計算しつくされた技。

 そして中村選手の話。彼の腕の筋肉の中には、酷使した結果割れた骨の破片がいくつも散らばっているそうです。さらには肉離れした筋肉がそのまま丸まって固まり表に浮き出ている。プロ野球選手はそんな人が多いそうです。我々なら痛くて大騒ぎする状態なのかもしれません。そんないわばボロボロの身体を使って、しかもプロとして高いレベルの試合をし、成績を残し、そして観客を魅了する。それができなければその時点で引退。ぎりぎりのところでの勝負。

 あるいは、食事にいったときに感じる”うまい!”という感動。そのお店が醸し出すなんとも言えない上質の雰囲気。そんなレストランやお店が時々あります。レストランではありませんが、昨年暮れに、遠方から訪ねてきた友人家族といった地元のやきとり屋さん。これがなんともいえずおいしく、とり肉なのに初めて食べる味。その見事な工夫!やきとり屋でこれだけ感動したのはおそらく初めて、すっかりファンになってしまいました-またいきたいなあと思わせる知恵と情熱。やきとり屋さんでさえ(失礼!)そんな店づくり、味づくりをしている。それをつくりだしている職人さんたちがいる。

 こうした人々を見ていると、プロっていうのは、他の多くの人にはまねのできないことをやってのける、そして周りに感動や興奮、あるいは夢を与えてくれる、そうした情熱や知恵や技を持っている、そんな存在なのだろうと感じます。

 でも何もTVに出てくる人たちや接客業の人たちだけがそんな存在というわけではないですよね。我々の職場や家庭の周りでも多くの人々が働いています。実は、そうした人たち一人一人の情熱や努力の積み重ねに支えられて、我々も毎日の平穏を享受できているのだと感じます。自らの仕事に誠実であろうとする意識。ほかの多くの人がまねのできない知識と技、そうした人々それぞれがみなスペシャリストでありプロなのだと思います。その結果として社会が動いていく。社会が変化していく。

 プロフェッショナルとして、コンサルタントとして一流を目指したい、そうなれるような組織をつくりたい、というKMC設立当時の私の想いは今も同じだと改めて認識しています。人に感動や興奮、夢を与えることのできる存在。そんな意識や情熱を持った個々が集まる集団。私を含めてKMCの社員みんながそうした評価を受けることができるような集団、周囲から期待される成果を出せるような集団。それを実現するために社員同士が上手に刺激し合える集団。そんな組織づくりをし続けていければと思います。

 お互いに高めあいながら、社会的にインパクトのある仕事、意義の高い仕事をするためには、志を同じくするプロたちが、規模を持った組織をつくり、そして集団で仕事をすることが大切だと思っています。良い社会づくりのために小さな一石を投じることのできる存在。社内でも感動ややりがいを共有することができ、周囲の人々や社会にも私たちの存在感を示すことができる、そんな集団。これからも、そうした理想に向かって組織づくりをし続けていきたいと考えています。