社長エッセイ

変化の中でのプロフェッショナリズム

 4月に入り、竹さん、於勢さんの加入で社員数が20名に達しました。1年前は10名だったので、ちょうど倍の勢力になったことになります。売上額もこれまでと同様に大きく伸びています。常々、KMCは今期からセカンド・ギア入りしたと書いていますが、それに合わせてこの1年間、目に見える変化、目に見えない変化、それもとても大きな変化がありましたし、益々変化するであろうことを感じています。私と同様にそれを感じている社員、特に常勤社員は多いだろうと思います。

 早いもので、4月末でKMCも設立5周年を迎え、5月からは新営業期(第7期)に入ります。大きな変化の中でKMCがしっかりとした組織になり、個々の社員がしっかりとした評価を得ていくためには、この機会に気持ちを新たにして、組織として良く考え良く工夫していかなければなりません。また社員もそれぞれの役割や責任を良く認識し協力し合っていかなければなりません。結果として、もししっかりとした組織・社員という評価が周囲から得られないのであれば、あえて私が会社をつくった意味も、皆さんがKMCの社員である意味もないと考えます。これが会社を引っ張る責任者としての私の主張や行動すべての大前提になっています。

 KMCがKMCの変化についていけるような工夫、つまり新たな業務のやり方や制度、会社のあり方を皆さんに提案していくつもりです。これについては、また改めて皆さんにお知らせしますが、今回は、こうした変化がある中でも決して変わらない最も大きな原則について触れたいと考えます。それは、個々の社員がどんな仕事をしているにせよ、20名全員が「プロフェッショナルであれということに尽きる」ということです。この点を理解していないと、社員としてKMCのこれからの変化にはついていけないだろうと思うからです。

 プロフェッショナルであるならば、「どんな状況にあっても受けた仕事はベストを尽くし、最後までやり遂げる。どんな仕事をしていても、さまざまな制約があるが、そうした中でできる限り自分が、そしてクライアントが納得できる成果を出す」ということが求められます。分かりやすくするために逆を書けば「成果にはあまりこだわらない。何かというと状況や他人のせいにし、文句や不満を言うことが多い。が、実は本人の努力不足が最も問題」ということになるでしょう。

 そうしたプロフェッショナルであるために心がけなくてはならないことは何か、私なりに常々考えています。私にとっては、それイコール自分のコンディションをできる限りベストな状態に保つ、ということだろうと思っています。では、コンディションとは何か、それを「心・技・体プラスα」でとらえてみると良いかと思います。それぞれ以下に説明します。

 まず「技」とは個々の持つ技術力、つまりスキルであり知識です。
KMC社員全員が、それぞれ何らかの「売り」になるスキルや知識、一言で言えば専門性を持っているはずですが、それが何か自らしっかりと認識すること、その上で自分の技をいかにアップデートしておくか、いかに切磋琢磨しておくか、という努力が必要だということです。我々はそうした技を持って、最終的には他者を動かすことのできる存在でなければなりませんし、そのためには勉強し経験し続けるしかありません。それについて近道はないのだと思います。ただ、組織の一員であることで、自分の技を磨きやすくなるのだと思いますし、そうでなければ会社にいる意味もありません。それが常に私が求めているKMCのあるべき姿でもありますし、会社のあり方を考える際のベースでもあります。

 「体」とは字のとおり体力です。
忙しくなると、仕事は体力勝負だなあと感じることがよくあります。我々は常に締め切りに追われていますが、時間や諸々の制約のなかできちんとした成果を出そうとする限り、体力はとても必要なことの一つです。 知識ややる気があっても、体力がなければ思い通りにできないことは常識として理解できます。この仕事、年をとっても楽にはならず益々体力が要求される、ある意味で特殊な稼業なのかもしれません。 皆さんもそれを自覚し、くれぐれもしっかりと体力をつけておいてください。といっても一人ではなかなか実行しないでしょうから、事務所の会議室を使って夕方ヨガ教室でもやろうと本気で考えています。ただ、それにはちょっと手狭かなと思いますし、皆さんの中で何か良いアイデアがあれば是非。

 「心」はもっとも奥が深いものだと感じています。それだけに説明が難しいのですが、まず「やる気」という心が最も重要だと考えます。
やる気のない人間は、たとえ技や体がすばらしくても、仕事をする上で最も避けたいタイプです。KMCにはそうだと感じさせる社員が一人でもいて欲しくありませんし、そのために採用面接や、あるいは皆さんのパフォーマンスを拝見する上でこの点を最も重視します。おそらくどの企業でもそれは同じだと思います。ただ「心」を語る上では、そんな当たり前のことだけではなく、プロフェッショナルとして意識しておかなければならないことがもっとたくさんあるのだと感じます。 例えば「一人のプロであろうとすること」であり、その中には「自分を磨いていこうとする気持ち」や「成果にこだわる気持ち」があります。また「難しいこと、新しいことにチャレンジしていこうとすること」や「困難を乗り越えようとすること」、「人が喜ぶことをしようとすること」も重要です。要は、その人の「魂」や「気迫」といってよいのかもしれません。

 このように、プロフェッショナルであるために必要なこと、特に今のKMC、これからのKMCのように変化の激しい状況の中にあっても動揺せず、プロとして自己を確立していくために求められることを、心・技・体3つの側面から考え、そして自らをチェックすることができると思います。3つのどれもが大切ですし、すべてが充実していないとプロとして自立はできないと思います。皆さんも是非それぞれでセルフチェックしてみてください。

 ただ、実は最近、どうもそれだけではないな、と感じるようになりました。自分では3つとも充実していると感じるのに、プロとしての自分の動き方、あり方に満足できていないことがあるということです。そこには3つの他に何かがある、それが最後の「プラスα」ということです。これは個々人でそれぞれ違うのだろうと思います。人によって「金(給与)」であったり「地位」や「名声」、あるいは「余暇の時間」であったりするのかもしれません。一言でインセンティブといってよいのかとも考えますが、やはりどうもしっくりこない。抽象的な表現になりますが「プロフェッショナルである自分を思う存分に発揮させてくれるもの」です。

 私にとってきっとそれは「リラックスする」ことだろうと感じています。以前のKMC通信でも触れたことですが、人はリラックスしている時、自ら持っている力を最大限発揮できるそうです。ではどうしたらリラックス状態を維持できるのか、これは私自身がまだまだ追及しているところで良く分かりません。そんな時、一流といわれるプロの人たちの話はとても参考になります。

 益々変化が激しくなるであろうKMCの中で、皆さんがそれぞれの仕事や役割をプロフェッショナルとして果たすために自分自身に何が必要なのか、何を強化しなければならないのか、上のことも参考にしながら良く考えてみてください。

 来期はセカンド・ギアなりのスピードで走れるよう、さらにアクセル踏むつもりでいますので、皆さんもそのつもりで。