社長エッセイ

【部長シリーズ第12回】農村開発部長:コロナ禍で気づいたこと

社会がコロナ禍となって1年が経とうとしています。KMCも全く海外出張を⾏わないまま今期の業務を⾏ってきましたが、ついに3⽉からの出張予定がちらほら聞こえるようになってきました。ワクチン接種も世界のあちこちで始まり、今年は「平常運転」に近づけるのではと期待しています。そうした中、約1年のリモートワークを振り返って感じたことを少し書かせて頂きます。

●現場仕事の⼤切さを痛感…
本来なら現地で⾏う調査や技術移転をリモートで⾏う難しさは皆さんも⼗分経験されたと思います。私もご多分に漏れず苦労したクチですが、私が反省した点は、リモート前に現地でしっかり関係を作っておけば良かったな、というカウンターパート(CP)がいたことです。リモートで会議をする場合、相⼿には⾃主的にZoomに接続してもらう必要があります。多くの場合⾃分のスマホから接続するので、インターネット接続料⾦も⾃⼰負担です(オフィスのWi-Fiを使えるCPはごく⼀部)。リモート会議に出席してもらうためにはしっかりとした動機付けが必要と感じました。現地で苦楽を共にしたメインCPは、いつも時間通りに接続してくれましたが(現地で会うときよりも時間に正確…)、1〜2度会った程度のCPは、リモート会議を招集しても⽋席したり、出席してもいつの間にか落ちていることがありました。関係が⼗分構築できていなかった、といえばそれまでですが、そのCPと現地で会った際にもっとプロジェクトについてしっかり説明し、その重要性について理解を深める努⼒をしておけば対応が違っていたかもしれません。今年はザンビアに3 回出張して調査を⾏う予定です。ただし、渡航できるかどうかはコロナ感染状況次第です。運良く現地に⾏けた場合、これが最初で最後と思ってしっかり現場を⾒たり、関係者とがっちり話をしてこようと思います。そうしておけば、以後の調査をリモートで実施することになったとしても、ぐっと楽にできるはずです。コロナの状況によっては、現地渡航への制約が再び強まる可能性もあります。当⾯はリモートを主、現地を従と考え、現地業務では、リモートでの業務をスムーズに⾏う体制を作ること、を意識する必要を感じました(リモート業務ストレスが指摘されていますが、コンサルタントは他の業種より⾼ストレスなのでは…)。

●リモートは便利ですが…
コロナ禍でリモートでの会議がスタンダードになりました。移動にかかる時間と労⼒を軽減できるメリットは⼤きいです。例えば社外で1時間打合せするとなれば、往復も含めて 3 時間近くかかっていました。それが1時間で済むリモート会議は効率的といえますが、「会議」というフォーマルなコミュニケーションに限定されています。⼀⽅社外で会議をする場合、その前後で「雑談」というインフォーマルなコミュニケーションを通し、会議中では伝えづらい本⾳をやりとりできることもありました。また、今期は様々な研修を受講しましたが、全てリモートでした。朝から遠方に⾏かずにすむので、楽ではありますが、研修の楽しみの⼀つである他の受講者との交流は全くできず、物⾜りなさを感じました。このようにリモートがスタンダードになったとしても、対⾯でのコミュニケーションの価値は変わらず存在すると思います。可能な場合は、対⾯でのコミュニケーションも適宜取り⼊れ、対⾯ならではの価値とリモートの効率性とのバランスをとった業務を⾏いたいと思います。

●おまけ、プライベート
コロナ禍で⼤きく変わったのは家族と過ごす時間が⼤幅に増えたことです。もちろん良い⾯もあったのですが、⼀緒の時間が⻑いとストレスも⽣じます。これまで年に6ヶ⽉前後出張していたので、こうした当たり前のことに気づいていませんでした。家族の中にも適度な距離感が必要なのですね(⼦供はどんどん⼤きくなるので、距離は離れる⼀⽅…)。

最後に
病気になって改めて健康のありがたさを感じるものですが、コロナ過のお陰で当たり前に出張して仕事ができるありがたさを⼗⼆分に感じました。これから徐々に渡航できるようになると思いますが、現地業務の機会を⼀層⼤事にしたいと思います。